【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「スミレ先輩、勉強の方はどうですか」
「うん、頑張ってるよ。もう少しで、推薦もらえそうなの」
そう言って、ピースを作って笑う先輩の目の下に、クマがあることに気づく。
スミレ先輩は福祉系の仕事に就きたいらしく、志望する大学合格に向けて日々努力している。
……やっぱりそういう真っ直ぐなところ、憧れる。
「あまりムリはしないでくださいね」
「だーいじょーぶ!ありがとう心配してくれて。やっぱり、聖と話すとホッとするわ」
「……え?」
「えぇっ!?えっ、まさか伊吹先輩、山田くんのことを……っ!?」
って、柚希、とりあえず落ち着こうか。
ムンクの叫びに負けず劣らず、口を大きく開けて絶句する柚希はひとまず置いといて。
『違う違う』と、否定しながらクスクスと笑みをこぼすスミレ先輩を見つめる。
「聖になら、なんでも話せるのになってこと。同じ男の子なのに、要くんには全然言えないの……」
「……伊吹先輩?」
「…………」
あぁ、なるほど。そういうことか。
好きだからこそ……一番頼りたい相手なのに、言えないのか。
と、ちょうどトイレから戻ってきた要を横目で見る。
俺の視線に気づき頭の上に“?”を浮かべるが、そこはあえてため息で返してやった。
案の定、『えっ!?なに!?』とでも言うようにあたふたしていたけど。
……要、今日が勝負なのは松川だけでなくお前もみたいだぞ。