【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
とりあえずここは、要にバトンタッチかな。
『なんでだろうね』と言って笑う笑顔に、影を落とすスミレ先輩に必要なのは、俺の言葉なんかじゃない。
きっと、要からのたった一言なんだ。
「……ていうか、ここ暑くない?」
「ちょっと暑いかもですね」
なんて会話をする柚希たち。
うん、たしかに暑いかも。
もう柚希たちが来る時間だと思ってコート着たけど、店内はガンガンに暖房が効いているようで、なかなかに暑い。
雑談している柚希に、そろそろ行く?と声をかけようとしたときだった。
「ふぅ。ごめん私脱ぐね」
そんな一言が聞こえたと思ったら、スミレ先輩が上着を脱ぎ始めた。
要の予想通り、スミレ先輩は淡いブルーのワンピースという薄着だけど。なんというか、めっちゃ寒そう……。
ノースリーブのワンピースだったから、いくら店内が暖かいと言っても、見てるこっちが寒くて。
受験生なのに風邪引いたらどうするんですか。
なんて、勝手にハラハラしてしまう。