【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「すずし~っ♪」
当の本人はよろこんでるけど。
これ、彼氏……要の立場だったら、心配で仕方ないかもな。
「先輩、風邪引きますって!」
ほら、やっぱり。
焦った様子でスミレ先輩に駆け寄る要に、脱いだばかりの上着を被せられ、ぷくっと膨れるスミレ先輩。
「いいじゃないこれくらい」
「ダメです。風邪引いたらどうすんですか。受験生でしょ?」
要の言葉を聞いたとたん、すっとスミレ先輩の表情が曇る。
“受験生”という単語のあとに、一瞬、ひどく傷ついたような顔をした気がするのは……気のせいだろうか。
「……もうっ、わかったわよっ」
そう投げやり気味に言ったスミレ先輩は、ぷいっと要から顔を逸らしてうつむいてしまった。
あれ……なんで、スミレ先輩怒って……。