【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「あぁっ!あのね山田くん!」
「ん?」
急に大声を上げた柚希の勢いに少々圧(お)されながらも、俺をじっと見つめる瞳と視線を絡める。
「ダッフルコート、めっちゃカワイイです似合いすぎです」
「え、あ……どうも」
なぜこの人は、こうも真顔でそういうことを言うんだ。
拍子抜けしてしまって、なんだか自然と笑みがこぼれる。
「そんな真顔で言わなくても(笑)」
「だってもうほんとにカワイくてカッコよくて失神するかと思って」
「そんなに?」
「山田くんがダッフルコートだよ!?そんなの破壊力抜群に決まってるじゃないかベイベー!」
ベイベーって。
別に、普通に濃紺のダッフルコートを着ているだけ。
まさか、ここまで興奮して語ってくれるとは思わなかった(笑)。