【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
そうつぶやいた俺に、『えっ!?う、うそっ、ごめんね山田くん!?』って、天然を発揮する柚希。
いっそのことキスのひとつでもしてやろうかこいつ。
なんて思ったけど、周りに他3カップルがいるので思いとどまる。
この人は、なんで俺の言葉をすぐにマイナスな方に受け取って、自分のせいだって思っちゃうのかな。
いや……それもこの人の性格か(笑)。
「なぁなぁ山田」
ぽんぽん、と肩を叩かれ振り向くと、左頬に松川の人差し指がささる。
……コイツ。
「あっはっはっはっ!引っ掛かった!」
「……松川、キレるよ」
「今どき引っ掛かる高校生いんのかよ!山田、お前……っだはははは!」
…………(怒)。
大爆笑する松川の隣で、橘さんが狼狽(ロウバイ)している。
俺の隣では、柚希が口元を押さえて呆然としている。
くっそ。まさかあんな古典的なイタズラをされるとは思わなかった。
「ていうかっ、俺にそんなことしてないで早く橘さんとデート行きなよ」
“デート”という単語に瞬時に頬を染める橘さん。
……ピュアだな。