【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
というか今思えば、手も、故意的に繋いだことはほとんど無いかもしれない。
帰り道に手を繋ぐとか、デートで繋ぐとか。そもそもデートに行ってないから、それはもちろんない訳で。
俺が柚希と手を繋ぐときって、あの人を励ますときとか、ふ、と、あの人が寂しそうな笑顔を見せたときとか。そんなもんで。
柚希自身も、俺に手を繋ぐことを強要してくることはないから。
だから、甘い雰囲気や意味で繋いだことは、ほぼないに等しい。
……あれ。これって変なのかな。
「お?その顔は、なんかあったのか?」
「……要はさ、スミレ先輩とどこまでいってるの?」
って、俺はなにを聞いちゃってるんだろ。
女々しいな。
要は突然俺がそんなことを聞いたからか、少し驚いてたみたいだけど、まるで小さい子がイタズラを企むような瞳で俺に笑顔を向けた。
「もちろん、セックスまで♪」
――ガンッ。
店内に大きな音が響く。
テーブルに強打したおでこをさすりながら、目を見開いて要を見るとケラケラと笑っていた。