マイ フレンド

あの日

慎也にバレた。

嘘が突き通せるはずがないのは知ってる。



俺の気持ちを知ってたと言った。



ふざけるな、しらねーくせに…



もうどうでもよかった…






俺は、





嫌われることを選んだ。




俺は、慎也が大事にしていたモノを、教室から出ていく慎也の背中に投げた。


それは下に落ち、慎也はそれを見つめた。



「それ、返す!」


去年、慎也の部屋からとった、戸野からのストラップ。


慎也はそれを拾うと、つぶやいた。


「なんで…波が…持ってんの?」

「あの日、お前の部屋から盗んだ。」

「知らないって言ったじゃん…」

「嘘だよ、そんなん。」

「どんだけ探したと思ったんだよ!」

「だから今返したじゃん。」
< 151 / 205 >

この作品をシェア

pagetop