マイ フレンド
戸野さんは何を言ってるか分かんなかったみたいだけど、

オレの精一杯の言葉だった。


キミに近づきたかった…


キミに触りたかった…



キミに愛されたかった…




叶わない恋…







「今日は送れなくてごめんね!」

「いえいえ。」


「あのね、戸野さんに言わなきゃいけないことがあるんだ。」


「…はい。」

「去年の後夜祭のとき、戸野さんに言ったこと覚えてる?」

「……はい…」

「…あれ、なかったことにしてくれていいよ?」

戸野さんは目をパチパチさせて驚いていた。


「オレもね、あれからいろいろ考えて、あのとき焦っちゃったかなって思って…もう一度、気持ちに整理つけてみたいんだ。…すごく勝手なんだけど…」


「わかりました。でも、あのとき、慎也くんがわたしに言ってくれたこと…嬉しかったです。」


「オレも嬉しかった。少しでも一緒にいれて…今までありがとう。……それじゃぁ行くね!」



終わった…


溢れでそうな涙を堪えて、歩く。



一番の親友もなくし、好きな人もなくして、オレには何が残ったんだろう。

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