マイ フレンド
家に戻ると慎也がいた。

「おかえり。…戸野さん大丈夫だった?」

「うん。多分。…みんなは?」

「オレの部屋。」

慎也の部屋は明かりがついていた。

「なぁ…やっぱ戸野さんのこと好きなの?」

「…なんで?」

「いや、よく見てるなぁって思って。…戸野さんと一緒にいるし。さっきだって…」

「違うよ。何度も言ってるけど、戸野のこと好きじゃない。…多分、お前がちゃんと、戸野を見てないだけだよ。…俺は、ただみんなを見てる。戸野も…お前も。」

「…え??」

「うん。お前のことは、小さいころから見てる。ずっと…」

俺は、ぼーとしている慎也を置いて、自分の家に戻った。

今の言葉で気付いたかな?

いや、多分わかってない。


明日になれば、また普通に戻る。

いつもそうだった。


俺にとって意味のあった言葉は、忘れ去られるんだ。

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