マイ フレンド
「あそ。…いないならいいんだ。……俺出かけるって、沙知美に伝えてくれるかな?」

「あーわかりました。」

「…沙知美のこと大事にしてね。アイツ今まで、家に友達連れて来たことないから。…男の子でも嬉しいよ。」

「…はい。」


すごく戸野思いな兄ちゃんじゃん!めっちゃいー人じゃん!

…なのになんで戸野は、あんな険しい顔をするんだろう。

お兄さんは、下へ下りて行った。



そんなことより、俺だ。

あんな母親は見たくない。


いろいろ考えているうちに、俺はベッドで寝てしまっていた。



夢を見た。


母親が泣いてる。

その隣には…


戸野。
泣いていた。

声を掛けても何も答えない。

ずっとその繰り返し。


泣いているのには、きっと何か苦しんでいるんだ。
理由が知りたい。でも、聞けない。


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