やっぱりそうだった
*ジージャン
人形のように色白い手首に僕は手を伸ばしてみた
彼女の腕は微かに、
僕が接近する数秒間で怖がるよう揺れる
百も承知に毎回同じ動作を行っているにも関わらず
慣れぬ暗黙の緩和しない空気は 僕を退けるように
緊迫している
「…ちいさ」
僕の手が幾ら大きいと言えど、肘の手前部分を一周
僕の手で覆えるくらいのか細い彼女の腕は
あまりにも弱く、脆いもの
『そーですかぁー?』
ふわふわっと首を横にゆったり振りながらニコニコ笑う彼女
何事もなかったかのように
過去に現在を重ねて
自分で自分を偽りながら労る笑顔の裏が
恋しいと思う
僕の隣は彼女だと願う
彼女にとってはそうでなくとも