キミのウタ
*first*

アマイコトバに

オレンジ色の空にヒールで歩く音が響く。




耳にイヤフォンを突っ込んで、口では音楽を奏でながら、


数分前にみた光景を思い出していた。



**********



「陸、明日なんだけど…」


そう言いながらドアを開いた私の動きがピタッととまる。


「………………奈音…………」



練習室の中では私の彼氏のはずの陸と、私の親友のはずのつばさが抱き合って…いや、それ以上のことをしていた。


「あ…ごめん、邪魔したみたいだね?

私明日から来ないから楽しく続きをどうぞ?」


満面の笑みでとっさに口から出た言葉だけを伝えて開いたドアを大きな音で閉じる。









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