キミのウタ
もう、なにもたたけない。






私は…もうドラムに座れない…



「たたけないんだよ、もう。無理なの。


あの頃に戻れないの。」




泣きそうな顔をしてたのだろうか…



テーブルの上に置いた手をそっと握られる…



「太郎…」



「奈音…そんなにアイツのこと…」



「太郎?」



「ごめん…」


スッと手を離し、うつむく太郎。


びっくりした。太郎が一瞬男にみえたから。








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