キミのウタ
呼び止める声に立ち止まることなく、私は1人でカフェをでた




「奈音....」




カフェの入り口に立っていたつばさ。


ピンクブラウンのセミロングをキレイに巻いて、ばっちりメイクでカラコンまでつけて。



誰がみても、可愛らしいと思うつばさが私を見てる....



「ごめんね....つばさ。私そんなお人好しじゃないんだ。」




「奈音....」



私の言葉を聞いた瞬間、ウルルっと潤むつばさの瞳....



今までなら、可愛いとか、可哀想とか思えたんだけど。


今はうざったらしい演技のようにしか見えなくて。



この女はどんだけ自分が可愛いのかっていいたくなるぐらいに


つばさがキライになっていた....



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