キミのウタ
「奈音ちゃんが廣瀬くんと組むならあたしが黒木君と組む!」



なんて言い出したのは、女子で一番可愛い南ちゃん。


「じゃあ、黒木君、南さんペアと神崎さん、廣瀬くんペアで決定します。」



面倒くさかったのか学級長の権限でばっさり決められ。



私の反抗なんて聞いてもらえず....



「奈音、そんな怒るなってー。」


廣瀬に椅子ごと背を向けた私にさらにしつこくかまってくる。


「いいじゃん、青春って感じで?」




「........」




「なーおちゃーん?」



「................」




「そんな無視されるとキスしたくなるんだけど?」


小さく、低く、甘い声で言う廣瀬のほうに仕方なく顔だけむける。



「どんだけ寂しがり屋よ、アンタ。」



「アンタじゃなくて燈真。」




「そんなこと聞いてない。廣瀬」




「ホント、連れないねぇ奈音は。」


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