キミのウタ
「じゃ、帰るから。」



そう言ったときにはもうドアノブに手をかけていて。




「げっ、最悪燈真」


「奈音ちゃんに手ェだすなよー?」


「........ばいばい」


賑やかなバック音声に見送られ、廣瀬にされるがままに私は歩き出した





「奈音....」



「ん?」



「なにから知りたい?」



「なにからって....」



歩き初めてからしばらくして。


廣瀬はそっと口を開いた



「分かってたよ、廣瀬が音楽の住人だってことも、ギターを弾いてるってことも。」
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