恋する吹奏楽部

「おはよう、柳葉(やなぎば)!。」
「あ、おはよう。」
「おはよう!柳葉っ!!」
「お、おはよう。」
朝からたくさんの人が私に声をかけてきてくれる。
でも実際その大半は男だった。
「よう、柳葉。元気か。」
「先生、おはようございます。」
担任の先生も。
何故か昔から声をよくかけてくれるのは男ばっかりだった。
私の名前は柳葉玲(やなぎば れい)。
中学二年生、吹奏楽部、トランペット吹いてます。
「しかし、玲もよく声をかけられるね。」
「そ、そうかな。」
「さすが玲様って感じ?w」
「やめてよ。」
女友達は部活内でのみ。
この子は同じ二年でトランペットの椿原優歌(つばきはら ゆうか)。
私はクラスの女子から玲様なんて変な呼び方されている。
最悪。
なんでか小さい頃から女の子の友達が極めてすくなかった。
どっちかっていうと男友達の方が多い。
それでも彼氏いない歴14年。
なんでかな。
好きな人なんて数え切れないほどいたはずなのに。
「じゃ、また部活でね。」
「うん。」
クラスが違うので優歌とはなかなか会えない。
「おはよう。玲様。」
「・・・おはよう。」
こうして私の一日が始まる。
「柳葉さん。」
「あ、山中君。」
「ちょっといいかな。」
「うん。」




「僕・・・。柳葉さんの事がすきなんだ。」
「私?」
「うん。僕、柳葉さんじゃなきゃダメなんだ。」
「そっか。」
山中俊樹(やまなか としき)君。
そこらへんの男子よりはだいぶ大人びてる。
身長が高くて運動もできて、勉強もそこそこ。
不細工ともいえない。
「好きだよ。」
きゅん。
この一言で私は山中君の虜になりました。
「あのね、私も山中君が好き。」
山中君の顔が明るくなった。
「ありがとう、柳葉さん。嬉しいよ。」
「玲でいいわよ。」
「れ、玲・・・?」
「そう。」
「じゃ、玲も俊樹な。」
「えぇ、俊樹。」
いままで生きてきて初めての彼氏。
「俊樹。。。」
なんだか。変な感じ。
ついさっきまで山中君だったのに。




僕は藤倉愛夢(ふじくら あいむ)。
中学一年。
吹奏楽部でトランペット吹いてます。
柳葉先輩が好きでした。
「あ、柳葉先輩だ。」
今日の朝、学校の中庭で柳葉先輩を見かけた。
今日も清楚な格好で美しかった。
仮入部のときに先輩にトランペットを教えてもらい、恋に落ちた。
そして吹奏楽部に入部。念願の柳葉先輩と同じパートに。
あいさつをしにいこうとしたんだ。
すると柳葉先輩は見知らぬ男といた。
会話が聞こえた。
内容は、、、
「僕・・・。柳葉さんの事がすきなんだ。」
-----!!!?
先輩たちなんか付き合う流れになってるけどこれってアリなの?
こんなの聞いてないんですけど!!?
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