恋する吹奏楽部

「ゆりちーん!」
「河原先輩!こんにちは!」
「ちはっ!一緒に音楽室行こー!」
今日は月曜日。
明日から夏休み。
終業式、大掃除が終わったあとすぐ部活。
一番最初に声をかけてくれたのは河原先輩。
「あ、姉崎先輩はご一緒じゃないんですか?」
「うん。なんかまっしーと一緒だった。」
「まっしーって、名雪先輩ですか?」
「そうそう。最近もっと仲良くなっちゃってさぁー。」
「元から良くなかったんですか?」
「んー、まっしーはりりーと違って大人しいからさぁ、こまったよ、一人で帰らなきゃなんだよね。」
「あの、良ければ一緒に。。。」
「え」
「え?」
「いいの!?」
「あ、私で良ければですよ?」
「いいに決まってんじゃんかぁー!今日一緒に帰ろー!」
「は、はい!」
この間の事件がまるで嘘のように接してくる先輩。
しかもずっとずっと距離が縮まったよう。
嬉しい、けど・・・。
「あ、あの、河原先輩。。。」
「ん?」
「私、御影さんと同じクラスなんですけど、」
「うん。」
御影っていうのは御影舞美のこと。
河原先輩はマイマイって呼んでます。
「あまり、河原先輩と仲良くしない方がいいって言われて・・・。」
「えええ。。。困っちゃうなぁそういうの(笑)」
「でもしたいんです!」
「ふぉぇ!?」
「パートが違っても、河原先輩は私の大事な先輩なのですっ!!」
「////」
「だから、御影さんの言うこと聞けないんです。どうすればいいんでしょう?」
「やっば、ゆりちん激カワ///」
気がつけば、河原先輩は顔を真っ赤にしていた。
「え、どうされたんですか?」
「なんか最初の方は謙虚で大人しくて、清楚な感じ。そんなイメージだった。」
「え、あ、イメージダウンですか?」
「ちがうよちがうよ!なんかすごい魅力的な子だなって!」
「いえいえ!そんな・・・。」
「なんかね、本当にますます好きになっちゃう系女子?w」
そう言って先輩は音楽室に入っていった。



「地味にそれ告白ですよ・・・///」



なんなんですか!
ますます好きになっちゃう系女子ってなんですか!
ますます私のこと好きになったってことですか!
あわわわわわわわわわわわわ
「ゆり何してんの?」
「ぶわあああ!?」
「驚き方。。」
「御影さん・・・なんですか?」
「鶴巻ゆり!」
「はうっ!」
「私、御影はとても腹が立っている。」
「な、なぜですか?」
「河原先輩とのイチャイチャ行為は校則違反だっ!」
「なんですかそれ・・・理不尽。」
「なんだって?」
「い、いえ!なにも!!」
「ま、冗談なんだけどね。」
「えええ。御影さんいくらなんでもそういうのはひどいです!」
「御影さん御影さんってうるさいわね!舞美でいいわよ!ま・い・み!」
もう!と言って御影さんは音楽室に入っていった。
それって、名前でよべって事かな?
舞美って呼んでいいって事だよね?
ちょっと夏休み前に幸せすぎるかもしれない。
河原先輩ともっと仲良くなれたし、舞美って呼んでいいって!
いいことの連続っ!
成績表見なければのお話。。。

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