恋する吹奏楽部
-椿原優歌視点-
「柳先生っ!」
「なんだね。」
私の前にどっかりと腰を下ろす柳先生。
怖・・・くなんかない。
妹の優羅にまだラッパ吹いてて欲しいんだから。
「妹の事ですが、」
柳先生が立ち上がった。
「私は昨日の事程度でやめろとは言わないよ。」
「え?」
その瞬間、私と柳先生のいる部屋にラッパの先輩と玲がやってきた。
「先輩っ!」
「私もいるんだけど。」
「玲っ!」
蘭舞トランペット全員集合だ。
「なんだ、こんなにたくさん一気に来て。」
柳先生が眉にシワをよせる。
嫌そうな顔。
当たり前だよね、ライバル校の生徒だもん。
栗花落先輩が
「椿原さんの妹さんの事です。」
と言うと即座に、
「昨日の事の程度で辞めさせないわ、」
と柳先生が怖い声でいい、部屋がシンとしずまった。
「・・・なんせあの子は伝説のオクテット候補なんだからな。」
「!?」
「で、伝説の!?」
「そうだ。」
柳先生が頷く。
「勇舞中学校吹奏楽部顧問として宣言する。伝説のオクテットは存在する。」
___!?
優羅が・・・候補!!!?
「え、そうだよ、いるよー?」
ガクッ
緊張で凍りついた空気を説いたのは河原先輩。
栗花落先輩が苦笑いしながら突っ込み。
「だからぁ、それが勇舞以外の誰にもわかんなかったんじゃんかぁ、」
「そうだ、絶対極秘条件だからな、ついさっきまで絶対非公開情報だったから。」
柳先生も口をそろえた。
それでも河原先輩はポカンとして、
「だからー、いるんだってー!」
「河原君、根拠は?」
千鳥先輩の一言に、河原先輩が軽く返す。
「僕、仲のいい勇舞の先輩がいるんだけどね、伝説のオクテット、九番目のオクテットだったんだよ。」
_______?
「「「 はぁぁ(えぇぇ)!!? 」」」
「ちょっと千穂ぉ、冗談もほどほどにしなきゃ首飛ばすわよ?」
「そ、そうよ!なんで知ってるんだい!」
テンパる先輩と柳先生。
そんな中、冷静な帯刀林檎先輩が、ヤンデレの志摩巡美先輩に、
「メグ、河原君の監視係でしょう?そんな情報入ってきてないかしら?」
と聞く。
実際志摩先輩は一日中河原先輩を監視し続けている。
変なところで真面目な先輩で授業中に河原先輩のクラスに行ってまで監視はしないらしい。
すると、
「え、うぅーん、たしかその人、千穂の親戚じゃなかったかしら?」
・・・。
Σ(゚д゚lll)