恋する吹奏楽部

♬ミ レ レ レ ド シ 

「梨恋、梨恋!」
「何!?」
「人の話聞いてんのか?」
「え、あ、ううん。全く。」
「はぁー。ちょっときて。」
「?」
私は知弥に呼ばれて打楽器部屋の隣のトロンボーン部屋の前にたった。
「見てみろよ。」
「あ、笑満」
トロンボーン部屋には二人の人影がみえた。
笑満とトロンボーン2年の先輩、河名木 鷹羽(かわなぎ たかは)先輩がいた。
河名木先輩は男の先輩。
楽しそうに話している。
「あ」
わかった。
笑満の気持ち。見ただけでわかる。
笑満の河名木先輩への好意。
笑満は、
河名木先輩が、
好きだ。
河名木先輩に、
恋してる。
知弥はそれを私に伝えに来てくれたんだ。
「わかったろ?」
「うん。明らかすぎだねw」
「俺さ、この間河名木先輩としゃべったんだよ。」
「うん。」
「河名木先輩はさ、田口(笑満の苗字)の話しかしないんだ。」
「うん。」
「田口はいい子だとか。」
たしかに笑満は天然で、おかしいとこあるけどすごくいい子だ。
「田口は打楽器どうなんだとか。」
「・・・。」
「田口が可愛いとか。」
「たしかに可愛いね。」
目がくりくりしてて髪の毛ふわっふわで名前の通り笑顔が素敵。
「田口の話しかしなかったんだ。だから俺おもったんだけど」
「笑満は河名木先輩が好きで、河名木先輩も笑満のことが____って事でしょ?」
私の一言に知弥は頷いた。
次の私の一言には知弥もびっくりしてた。
「知弥も、笑満の事好きなんでしょ?」
「___________は?」
「だって知弥だって笑満の話しかしないじゃない。」
「・・・・・・・・。」

♬ド レ ド シ 
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