恋する吹奏楽部
-岡重薫の過去2-
私が中学を卒業した2ヶ月後。
私は佳奈と出会った。
「あ、薫じゃーん。」
「…佳奈。」
「久しぶりー、相変わらず陰キャだねー、」
中学の時ほどぐれてはいなかった。
「ましになったね、佳奈。」
「まーねー、高校で吹部なんだー、超強豪校だよ、」
「楽器は?」
「クラリネットだよ、勿論。薫は?」
「やめたよ。」
「はぁ?」
「吹奏楽なんて、面白くない。みんななんでそこまで熱くなれるの?所詮木の管吹いてるだけなのに、それでトップ争いなんて醜い。汚い。はしたない。」
佳奈に殴られるかと思った、でも、
「そ、そうなのかな、、、?」
佳奈は絶望に浸った顔で私を見つめる。
私のその言葉に佳奈は変わった。
今思えば私はばかだった。
佳奈はぐれてしまった自分を大好きな何か-クラリネット-で変えようと思ってたのかもしれない、
なのに、
私の一言で、佳奈は、、、、
自殺した、
佳奈は必死に過去の自分と戦ってたのに、
私は佳奈を殺してしまった。
佳奈は変わろうとしてたのに。
私のせいで、死んでしまった。
世界で一番の友達で、ライバルで、大嫌いだったよ。