恋する吹奏楽部

「合宿が終わった、つまり、こっから本格的に詰めていくぞ、勇舞の演奏をぶっ倒すような勢いでいくぞ!」
「「はい!」」
先輩たちはコンクールに向け、どんどんどんどん成長している。
かっこいい先輩の姿を見ているだけ、私たちは応援するのみ。
私たちは少しでも先輩に追いつけるように、必死になって練習する。
たなばた、絶対に成功させるから。
「ね、知弥。」
「ばぁ、!?な、なんだよ、急に!」
「え、話聞いてなかったの?」
「な、何の話だよ!」
「打楽器アンサンブル、見に行く?」
「え、あ、あぁ、どうしようかな。」
「うちの親が打楽器の一年生みんな送ってくれるって言ってるんだけど、一緒に、」
「あ、ご、ごめん!俺一人で行くからっ!!」
・・・。
知弥明らか態度おかしいじゃない。
「知弥っ!」
「な、なに!?」
「なんでそんな態度なの!?」
「はぁ?」
「なんでそんなにそっけないの!?人がせっかく、」
「ご、ごめん、い、いまは、ちょっと、」
「なによ!?」
「梨恋の顔・・・見れない・・・///」
「・・・。」






「はぁ・・・?」




なにそれ、わけわかんない。
どういうこと。
「ねぇ、なにそれ、どーゆーこと?」
「は、そ、そのm、そのままに意味!!!」
「ま、数学14点の梨恋に難しい年頃の男の子の気持ちなんてわかるわけないしねー。」
「その通り。所詮理科33点の梨恋の脳では、照れながら素直に自分の気持ちはっきり言う男子の気持ちなんて理解不能。」
「www社w会ww38点のww梨恋にはww(ry「う、うるさああああああい!!!!!」
突然私と知弥の前に現れた打楽器の笑満、瑠衣、春乃。
てか勝手に私の中間の点数ばらさないでよ!!!
「うわ、梨恋頭悪っ、「知弥うるさいっ!」
「す、すんません。」
「いや、これはマジで梨恋、やばいよ。」
「中間でこれはねwwww」
「うむ。これは阿呆どころでは収まらない域。」
「うrrrrrrrrるさいわねっ!あんたたち何点だったのよ!」
「私、数学百点だったぁ♪」
「ま、笑満は塾トップだもんね。」
「理科は97。余裕。」
「瑠衣は理系だし。」
「うちは社会98w」
「春乃黙って。」
「ひどいww」
「あ、ちなみに俺数学95!!「知弥。」
「すいません。」
そう、きっとこれはたまたま。
私以外の打楽器一年はみんな成績優秀。
天然でドジっ子な笑満は塾トップ、おまけに全国ランク毎回三十位以内。
ちょっとキチガイな情報通、春乃は笑満と同じ塾で、クラスは違うけれど、もちろん頭がよくて社会が得意。
冷静で大人しい読書家の瑠衣も理科が得意。
知弥も運動神経抜群で、数学が得意。
これは、きっとたまたま。

_____きっと。

「ま、知弥はそんなバカな梨恋が好きなんだもんね。」
「はぁ!?///」
「もー、バレバレだよぉーw」
「早く結ばれろ、もどかしい。」
「な、なななな、なんの話ぃ!!?」
「やはり梨恋は阿呆なのだな。」
「だだだだだから瑠衣!なんの話!!?」
「まぁまぁ、お幸せにー。」
それだけ言い残し、三人は練習に戻った。
「全く、何しに来たのよ。」
「あいつら面白いな。」
「まーまー。」
「・・・あ、あいつらの言ってたこと間違ってないから。」
「え?」
「・・・あいつらの言ってたこと、間違ってない。」
「・・・ふぇ?」
知弥が音楽室を出て行ってしまった。

・・・?
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