アイノカタチ
あまりの物言いに私は二人が気の毒になる。
しかし、乗るまでは、離さないとでも言うように掴んでいる腕に力を込める。
仕方がない、と。私は一緒に行く事に。
2人の男性は、何やら支持を受けて何処かへ去っていった。
そして、運転手に行き先を告げた時。
受けたおんちゃんが驚きの声で繰り返した場面は、多分一生忘れないだろう。
都会に来たばかり(と言っても既に3ヶ月はたつが)の私には、その病院がどんな場所かもわからず。なぜ声が裏返ってかえすのか不思議に思っていた。
でも、実際行ってみてわかった。
ゴージャス。
一言で言うならこんなもん。
詳しくいうなら病院にはいらなそうな飾りや資材が沢山で、無駄にキラキラした。
一般人にはうげっ、な場所だった。
流石に、どんな人が受けにくるのか、それを見てわかっちゃって。
から笑い。
男性は、そんな病院の中へなに食わぬ顔で私の肩に捕まって入って行った。
いや、足じゃないから独りであるけるでしょ?と内心ぼやいたのは内緒。
そして、連絡が入っていたのか、受付で何人かのナースが近づいてきて、あれよあれよ言う間に診察。レントゲン撮影。処置をこなして行った。
一般病棟より早いわ。
そんなこんなで、一通り済んだため待合室?らしい部屋で休憩をすることに。
都会の、しかもVIPって、こんな扱いなんだと、改めて思った。
更に、自分が関わってしまった男性も、只者ではないとわかった。
今は、急用な連絡が入ったと席を外している。
とんでもない人に関わったかも、と。
深いため息をつく。
と、ガチャっと後ろのデカイドアが開く。
「すまない、待たせてしまった」
「いえ、お構いなく
大丈夫でしたか?」
「ああ。
おかげで助かった。本当に君には手間をかけてすまなかったね」
「いいえ。
それでは、私はこの辺で失礼を…………」
ゆっくりと立ち上がり出て行こうとした時。
「君は、今求職中かい?」と尋ねられた。
私は振り向いてはぁ、と少し弱めに肯定する。
なぜわかったのか。
男性は、ん?と私を見たあと、ああ。と納得したかのように笑う。
「なぜわかったのか、不思議に思ったんだね。理由は簡単。
パンストなんて、あんなに何枚もストックしているのは、そうそういない。
面接に歩き回ってるか、外回りの人以外はね。
君の場合、カバンの中に履歴書しかなかったから、そっちだと確信した」
それを聞いてえ?と更に相手を凝視。
「カバンの中みたんですか?」
私は、信じられないといったように睨みつける。男性は、そんな私にまぁまぁと宥める仕草をして、再びソファーに腰かけるように促す。
不審に感じながら渋々座り直す。
「勝手に見てしまった事には申し訳ないと思っている。
しかし、これで君に御礼ができると思ってね?」
「え!
いえっ、私はそんな御礼だなんていりません」
慌てて首を横に振りながら異議を唱えるも、男性はいやいやと逆に譲らない。
「とにかく聞いてくれ。
何もずっと、と言うわけではない。
私の提唱する期間だけ、私の元で働いてはくれないか?」
「…………ちなみに、何ヶ月ですか?」
「1年」
「えっ、1年?」
私は、有り得ない期間に食いつく。
1年で食いつく私もどうかと思うが、食いブチが稼げることは嬉しい。
その間、両親に仕送りもしてお金も貯めれば、1年後に辞めても幾らかは不自由しないし、辞める迄に職探しすれば自分のやりたい仕事にあり付けるかもしれない。
私は、これはありかもっ!と男性を凝視する。
「あ、あの、本当に1年。雇って頂けるのですか?」
「ああ、約束しよう。
もし希望するなら、もう1年伸ばしても構わない」
「っ、」
まさに、神の声とはこのこと?
有り得ない誘いに動揺すりしかない。
「ただし、条件がある」
「…条件?」
「そう。
私の専属社員として働いてもらいたいんだ」
「専属社員?」
私は、意味がわからず顔をしかめながら問い返す。
しかし、乗るまでは、離さないとでも言うように掴んでいる腕に力を込める。
仕方がない、と。私は一緒に行く事に。
2人の男性は、何やら支持を受けて何処かへ去っていった。
そして、運転手に行き先を告げた時。
受けたおんちゃんが驚きの声で繰り返した場面は、多分一生忘れないだろう。
都会に来たばかり(と言っても既に3ヶ月はたつが)の私には、その病院がどんな場所かもわからず。なぜ声が裏返ってかえすのか不思議に思っていた。
でも、実際行ってみてわかった。
ゴージャス。
一言で言うならこんなもん。
詳しくいうなら病院にはいらなそうな飾りや資材が沢山で、無駄にキラキラした。
一般人にはうげっ、な場所だった。
流石に、どんな人が受けにくるのか、それを見てわかっちゃって。
から笑い。
男性は、そんな病院の中へなに食わぬ顔で私の肩に捕まって入って行った。
いや、足じゃないから独りであるけるでしょ?と内心ぼやいたのは内緒。
そして、連絡が入っていたのか、受付で何人かのナースが近づいてきて、あれよあれよ言う間に診察。レントゲン撮影。処置をこなして行った。
一般病棟より早いわ。
そんなこんなで、一通り済んだため待合室?らしい部屋で休憩をすることに。
都会の、しかもVIPって、こんな扱いなんだと、改めて思った。
更に、自分が関わってしまった男性も、只者ではないとわかった。
今は、急用な連絡が入ったと席を外している。
とんでもない人に関わったかも、と。
深いため息をつく。
と、ガチャっと後ろのデカイドアが開く。
「すまない、待たせてしまった」
「いえ、お構いなく
大丈夫でしたか?」
「ああ。
おかげで助かった。本当に君には手間をかけてすまなかったね」
「いいえ。
それでは、私はこの辺で失礼を…………」
ゆっくりと立ち上がり出て行こうとした時。
「君は、今求職中かい?」と尋ねられた。
私は振り向いてはぁ、と少し弱めに肯定する。
なぜわかったのか。
男性は、ん?と私を見たあと、ああ。と納得したかのように笑う。
「なぜわかったのか、不思議に思ったんだね。理由は簡単。
パンストなんて、あんなに何枚もストックしているのは、そうそういない。
面接に歩き回ってるか、外回りの人以外はね。
君の場合、カバンの中に履歴書しかなかったから、そっちだと確信した」
それを聞いてえ?と更に相手を凝視。
「カバンの中みたんですか?」
私は、信じられないといったように睨みつける。男性は、そんな私にまぁまぁと宥める仕草をして、再びソファーに腰かけるように促す。
不審に感じながら渋々座り直す。
「勝手に見てしまった事には申し訳ないと思っている。
しかし、これで君に御礼ができると思ってね?」
「え!
いえっ、私はそんな御礼だなんていりません」
慌てて首を横に振りながら異議を唱えるも、男性はいやいやと逆に譲らない。
「とにかく聞いてくれ。
何もずっと、と言うわけではない。
私の提唱する期間だけ、私の元で働いてはくれないか?」
「…………ちなみに、何ヶ月ですか?」
「1年」
「えっ、1年?」
私は、有り得ない期間に食いつく。
1年で食いつく私もどうかと思うが、食いブチが稼げることは嬉しい。
その間、両親に仕送りもしてお金も貯めれば、1年後に辞めても幾らかは不自由しないし、辞める迄に職探しすれば自分のやりたい仕事にあり付けるかもしれない。
私は、これはありかもっ!と男性を凝視する。
「あ、あの、本当に1年。雇って頂けるのですか?」
「ああ、約束しよう。
もし希望するなら、もう1年伸ばしても構わない」
「っ、」
まさに、神の声とはこのこと?
有り得ない誘いに動揺すりしかない。
「ただし、条件がある」
「…条件?」
「そう。
私の専属社員として働いてもらいたいんだ」
「専属社員?」
私は、意味がわからず顔をしかめながら問い返す。