卑怯な私
「優希、悪いけど今日は先に帰ってて。優子、行こう病院」
ちゃんと先生に診て貰った方がいい。
だが、優子は行くことを拒否した。
きっと思いだしてしまうのだろう。
病院に運ばれ、一度も目を開けなかった御両親の事を・・・・・・・
それに気付いてて無理矢理連れて行くのは、俺には出来ない。
「俺も行くから。3人で行こう」
「3人なら怖くないだろ?」
なんとか優子を2人で説得し、病院に行くことになった。
受付を終え、母さんに電話をすると飛んでやってきた。
声が出ないと伝えたら優子の見ていない所で泣き崩れていた。
「真紀ちゃん達が居なくなって見た目より傷ついてるんだわ・・・・・・・」
真紀ちゃんとは優子のお母さん。
「こんな時に親がいないなんて・・・・・・。私どうしたらいいの・・・・・・?」
おばさん達が亡くなってから優子に寂しい思いをさせないように頑張って母親の代わり努めていた。
優子がこうなって一番悲しんでいるのは母さんかもしれない。