卑怯な私
「別れるってどうして!?全然直ぐ済む話じゃないじゃん!!」
優希にとってはそうかもしれない。
だが、答えを出してしまった俺に対しては直ぐ済んでしまうんだ。
「ねぇ、私何がいけなかった?優子と気不味くなったのがいけなかったの!?」
必死に縋ってくる優希を見ていると、心が痛む。
だが、抱きしめてやることは出来ない。
「優希は悪くない。優希の将来を考えるとこれが最善策なんだ」
「私の幸せってこと?そんなの私が決めることじゃん!」
「じゃあお前は俺がずっと優子に付いているのに幸せで居られるのか?」
「ずっとって・・・・・・・」
何時声が戻るか分からない。
戻ってもご両親をああいう形で亡くして立ち直れる筈がない。
それなのに声が出た途端に俺が離れる訳にはいかない。
「じゃあ、何・・・・・?翔樹はこれからを優子に捧げるつもりなの?」
「あぁ」
決めたんだ。
生涯を共にして生きて行くと。
「優希のこと愛してた。ありがとう」
「ふぇ・・・・・っ・・・・・」
泣きじゃくる優希を置いて公園から出た。
これが俺の答えだから。