卑怯な私
「ただいま~・・・・」
黒木家に帰っても、物静かだった。
「優子?」
リビングを覗いても優子の姿は無かった。
「優子!?」
1階の部屋中を探し回っても優子の姿は見つからない。
もしかしてと思い、2階のおばさん達の部屋に向かう。
「優子!?」
息を切らしながら扉を開けると、案の定優子が居た。
ベッドの横に座りこみ、寝てしまっている。
最近よくあることだ。
こうしているとおばさん達が近くに居るみたいで安心するのだろう。
「ったく・・・・・・。心配ばかりさせんなよ」
優子を抱き上げ、自分の部屋に寝かせた。
偶に思う。
両親を追って優子まで逝ってしまうんじゃないかと。
この家に帰って来た時、もし血を流して倒れていたらとか
薬の多量摂取によって倒れてたりとか
今だってこのまま目が覚めなかったらと思うと凄く怖い。