卑怯な私
声が出るようになって2ヶ月。
先月の検査で先生はもう心配はないと言ってくれた。
つまり、病院通いは先月までとなった。
私は相変わらず翔樹に秘密にして生活をしていた。
「へぇ~、最初に比べて大分出来るようになったじゃん」
今日は日曜日で、週に1度の翔樹の休日。
最初は10個を作るのに1日かけていたが、今では10個作るのは4時間で出来てしまう。
「てかさ、何でネイルのストーン付けなの?」
私の内職は、決められたデザインで付け爪を完成させること。
【可愛いでしょ?】
ホワイトボードに書いて見せた。
【翔樹もやってみる?】
「そうだな、暇だしやってみるか」
私の隣に座ると、不慣れな手つきでストーンを1つ1つ掴んで行った。