卑怯な私

翔樹side




「戻ったのか・・・・・?」


「・・・・・・うん」


「マジか・・・・・よかったな!」



これで一安心だな。



今迄出てた声が突然無くなり、いつの間にか自筆が声の代わりになっている。



やっとその生活から抜け出せる。



それが自分のことのように嬉しかった。



「ちが、う・・・・・・」



え_______?



「違うの」



違うって・・・・・・?



今実際出てるんだろ?声。



「とっくに戻ってるの」


「とっくに、って・・・・・・。お前、ずっと声の出ないフリをしてたのか?」


「うん。ずっと黙っててごめんなさい」


「はぁ~・・・・・」



つまり、違うって言ったのは今戻った訳じゃなくて前から戻ってたことを否定した。



ってことだろ?



しかも演技までして生活してたなんて・・・・・・

< 139 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop