卑怯な私



「そんなにこの街を出たいなら、俺と一緒に来るか?優子」



え_______



思わず顔を上げ、遊人の顔を見た。



翔樹も驚いて遊人の顔を見ている。



「どうせこの街を出て行くのならそっちの方が安心だろ?野垂れ死ぬ心配だってない」



そう、かもしれないけど・・・・・・・



でもそれじゃあ意味がないの。



私1人で出て行かなくちゃ意味が無いの。



「わた、し・・・・・・」



なんて答えていいのか分からず言葉を詰まらせてしまう。



「返事は急がない。でも、今月中までには出して」



今月って・・・・・、後2週間もないじゃん。



「選択肢は2つ。翔樹とこの家で暮らすか、俺と一緒に北海道に行くか」



私に他の選択肢は無いの・・・・・・・?
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