卑怯な私
部屋の片隅に纏められた荷物がポツンと置かれている。
その中から下着とパジャマだけを出し、他はそのまま。
「はぁ~・・・・・・」
ベッドにダイブし、溜息を零す。
『選択肢は2つ。翔樹とこの家で暮らすか、俺と一緒に北海道に行くか』
翔樹と暮らすか、遊人と暮らすか。
この家で暮らすか、北海道で暮らすか。
私はどれを選べばいいのだろう。
翔樹とこの家で暮らす選択をすれば今迄と変わらない。
それと反対で、遊人と北海道へ行けば新しい生活が待っているだろう。
でも、なんだか違う気がする。
私がしようとしていたことは新しい生活を求めるだけ?
そんな単純なものではない。
私がしたかったのは・・・・・・
想いを力に表すかのように顔を埋めた枕をギュゥゥと抱きしめた。