卑怯な私
私がサービスエリアに寄りたかった理由はトイレじゃない。
私が寄りたかった一番の理由は・・・・・・・
「ただいま~!」
トイレに行って来たかのように、元気に車の中へ入った。
「早かったな」
「そう?トイレ空いてたから」
「ふ~ん・・・・・。そろそろお昼だからついでに飯食ってこうと思うんだけどどう思う?」
「賛成~!」
さっき乗ったばかりだと言うのに、また車を降りた。
「あ、携帯車に忘れた」
「は?何やってんだよ」
「しょうがないじゃん。取ってくるからキー貸して」
ムスッとした顔で手を伸ばした。
「はいはい。食券販売機の所で待ってるからな」
チャリンと音を立て、掌にキーが乗った。