卑怯な私

謝らなくてはいけないのは俺の方だ。



分かってるつもりで全然優子のことを分かってやれなかった。



その俺の自意識過剰な思考がいつだって優子を苦しめていた。



優子には俺しか居ないと思い込み、縛り付けていたのは俺の方だったのだ。



むしろ俺が迷惑を掛けていた。



少しずつ変わって来た“幼馴染”という関係。



俺はその関係に甘えて優子の気持ちに気付いてやれなかった。



俺のせいで優子は大事なものを失った。



優子を支えているつもりで、俺が支えられていたのかもしれない。



優子を支えていると思い込み、自己満足をしただけだった。





“好きだったよ。”



過去形にしたのは優子のほんの少しの強がりで



優しさだとすぐに気付いた。