卑怯な私
「おじさん、おばさん今年も来たよ。今年も来ないかもしれない、優子」
『黒崎家之墓』と書かれた前で翔樹が挨拶をする。
「何時になったらくるんだろうね、優子・・・・・」
これで何年目だろう。
こうやって待って来なかったのは。
「でも、今もきっと何処かで元気に生きてるんだろうな」
連絡が来ないのはそれが証拠。
「そうだね」
優しい風が俺達を包む。
まるで風が俺達を慰めてくれているみたいだった____