卑怯な私




「でも、助かったよ」


「あれだけ泣いてればあそこから連れ出したいと思うだろ」



注目の的だった、と付け足して悪戯っぽい笑みを浮かべた。



そんなに皆に見られていたんだ。



「全然気付かなかった」



それだけ夢中だったんだ・・・・・・・・・



「どうすんの、優希がYESって答えたら」



私があんなこと言ったんだ、優希はYESと答えても可笑しくない。



「大丈夫だよ」



柵をギュッと握った。



そう、絶対に大丈夫。



きっと優希はNOと答えるはずだから。



「・・・・・・・・優、子?」


「え、何?」



遊人の方へ振りかえると、首を傾げた。



「いや、なんにも・・・・・・・・・」



変な遊人。


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