卑怯な私
月日はあっという間に過ぎて行き、私達は最高学年に上がった。
クラス替えは、1組に翔樹、3組に優希、4組に私と遊人となった。
「1年間よろしくな」
席に座っていると、登校してきたばかりであろう遊人が目の前に現れた。
「よろしくしてあげる」
こうやってわざと嫌味を言う。
これが私達の関係。
「もう大丈夫か?」
気を使ってくれるのは遊人だけ。
あの2人はバカップルをやっている。
そもそも翔樹は私の気持ちを知らないから気を使うにも使えないか。
「私の14年間の初恋はそんな簡単に吹っ切れないよ」