卑怯な私
破壊
「あちぃ~・・・・・・・」
「だったら部屋に入れば?」
夏休みに突入し、受験生でもある私達に課せられたことは大量の課題。
「てか、優子だけズルくね?」
私の部屋は、ベランダとドアを開けておけば風通りがいい。
尚且つ太陽の向きも抜群で、ベランダに出ても昼でも日陰になっている。
毎年柵を背凭れにし、夏休みの課題を済ませる。
去年までは隣に翔樹が居た。
2人並んで課題をやっていたのだ。
だが、今年は背後に翔樹が居る。
「翔樹だって夕方になれば日陰になるでしょ」
「それ、嫌味にしか聞こえねぇって」
「だったらこっち来る?ま、優希に誤解されても私は弁解しないけど」
翔樹と会話しながら、化学の問題を解く。