卑怯な私
夏休み中、優希はよく翔樹の家に来ていた。
私は相変わらず、定位置で課題をこなしていた。
そんな夏休みの中半、私達全校生徒は“登校日”という名目で学校に登校してきている。
「こんなもん提出する為に登校とか、夏休みの意味ねぇし」
なんてぼやいている遊人は、今まで遊び呆けて課題に手を付けてなかったらしい。
そんな遊人に親切に私が答えを見せてあげている。
「口よりも手を動かして」
一切手を付けていない遊人は、この短時間で2教科写さなくてはならない。
「よっしゃ、終わった~!」
「はい、次やる」
「へ~い」
感動の間も与えることなく次の宿題をさせる。
「そういえば、補習どうすんの?」
「私は文系受けるよ」
「優子は理系だもんな。ってことは翔樹は理系受けんのか?」
私達2人は、2人で5教科のバランスを取っていた。
もう翔樹を頼りには出来ないだろう。
それに、優希が来る日に自分の部屋で勉強をしていたくないのだ。