卑怯な私
「紅葉だったら日帰りできるし」
さっきから意見を発言しない翔樹。
優希の話を愛しそうに相槌を打っているだけ。
その光景が私の心をより一層苦しめた。
「ね?行こうよ、優子~」
「そんなに行きたいなら3人で行ってくればいいじゃん」
「4人で行くから意味があるの!」
“4人だから楽しいの!”
昔は私もあんな風に言ってたっけ。
「とにかく、私は今回パス。また誘って」
きっとこの言葉は嘘になるだろう。
「ほら、早く帰らないとチャイム鳴るよ」
と適当な理由を並べ、2人を教室に返した。