卑怯な私
「俺、飲み物買ってくる。皆何がいい?」
「私も行くよ。4人分は持ち切れないでしょ」
「じゃあ俺アイスコーヒー」
「私も」
「了解。ここ等辺に居ろよ」
仲良く自販機を探して行ってしまった翔樹と優希。
「で?誘った理由は翔樹から逃げない様にさせるだけ?」
「それだけって言ったら?」
「だったら私は翔樹の視界の範囲に居るだけ」
近くにあったベンチに腰を下ろした。
目の前の湖が太陽の光を受け、キラキラと光っている。
これで白鳥が居れば漫画みたいでロマンチックなんだろうけどね。
「なぁ、仲直りしろよ」
背後に立つと、ベンチに両腕を置いた。
「どうして?」
「あいつ、結構傷ついてる」
そっか。
そうだよね。
私のセフレ相手の前に、遊人は翔樹の親友だったんだよね。