卑怯な私
湖を一周できるこの公園。
半分まで歩いた所で、遊人が行動に出た。
「ココ、ボート乗れんだな」
「ほんとだー」
「乗りに行くか、優希」
「行くー。優子はどう・・・・・・・」
「ちゃんと漕げよ~」
優希の台詞を遮って遊人が腕を引っ張って連れて行ってしまった。
ココで私が乗ると言えばチャンスが何時来るのか分からないのだろう。
翔樹は船酔いするタイプで乗らないのは分かっている。
ちゃんと仲直りしろってか?
「優子は、乗らなくていいのか?」
「うん・・・・・・」
「座るか」
「うん・・・・・・」
同じベンチに座り、2人がボートに乗り込む様子を一緒に眺める。
昔と一緒のようで昔と違う。
隣に居るけど、私達には距離がある。