卑怯な私
遊人の思惑通りとまではいかなかったが、後半は翔樹との会話が少し増えた。
帰り道も、遊人が無理矢理優希を連れて行ってしまい翔樹と2人で帰ることになった。
お互い一言も話さなかったが、肩が触れそうな距離で並んで帰った。
とても懐かしい感じで、正直嬉しかった。
そんな幸せな気持ちに浸りながら部屋に帰ると、当たり前だけど一人になって気付かされる。
こんなことで喜んでても恋人になれないのだと。
恋愛対象外であるのだから尚更だ。
あんなこと喜んでいたら翔樹を諦められない。
2人に面と向かって“おめでとう”と言えない。