卑怯な私
「取り合えず服直すか」
屋上を出て直ぐ、踊り場の所でボタンを1つ1つ丁寧に閉めてくれた。
翔樹が来てから色々あり過ぎて忘れてた・・・・・・・
バン_____!
思いっきりドアを蹴る音が踊り場で響いた。
「翔樹・・・・・・・?」
「・・・・・・・・行こう」
「でも、翔樹が!」
もう一度屋上に戻ろうとすると、すかさず遊人が腕を掴んできた。
「アイツには優希が付いてる。それに、頭を冷やす時間が必要なんだ」
でも・・・・・・・・
もう一度ドアを見た。
「ほら、乗って」
私に向けられた背中。
今なら屋上に行ける。
私は一度目を閉じると、遊人の背中に乗った。