君がすき



……の、はずだったんだけど。



『あ、早瀬先輩、おはようございます!』



寝ぼけ眼の早瀬に、明るく声をかけてきたのは、後輩の男子生徒。

と言っても、早瀬はバドミントン部に対して、そいつは荷物を見るからにバスケ部。


同じ体育館を使用してるから、顔見知りなのか…。

にしても背ぇ、でっけぇなー…。



『あー…おはよー、ヒナタくん……』


……ん!?


ぼーっと後輩男子を眺めていた俺は、その一言でバッと早瀬の方を見る。



今、ヒナタくんって……。

名前呼び!?


その事実に軽くショックを覚える。

俺なんて、中学から一緒でも苗字呼びなのに、だ。


でも、俺のショックは、まだ続いた。



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