君がすき
「まっつんは俺の味方か、そうじゃねーのか、どっちだよ…」
「味方だけど?あ、でも、たまに敵かな!」
「はぁ!?」
思わぬ返事にバッと顔を上げれば、「ほら、部活で練習試合するときとか!」と、
楽しそうに笑いながら返される。
あぁ、そういうことかよ…。
紛らわしい言い方しやがって……。
はぁ…と、机に突っ伏せば、不意にトントンと叩かれた肩。
それに疲れた顔で振り向けば、早瀬が探しにいったはずの夢榎に、笑顔で「はい」と小さなメモを渡された。
「なんだ、これ?」
「さぁ?ニ年の女子から渡されたから。結構可愛かったわよ?」
やけに丁寧にたたまれたメモを片手に聞けば、夢榎とまっつんが二人そろってニヤニヤと見つめてくる。
「……呼び出し……」
数行の文の最後には“放課後、お話したいことがあります”と、聞き覚えのある名前。
そういや後輩から、この子のこと聞かされたような、そんな気が……。