君がすき
「ただ、久富の顔、真剣だったしなぁ…」
そんなにその子のこと、好きなのかな?
だったら、夢榎とまっつんも知ってたり!?
ってなったら、またあたしだけ知らないってことになるの?
「…それは気に食わない」
むう、と膨れっ面になる。
すると、ちょうど前をまっつんが歩いているのが目に入った。
「あっ、まっつーーーーんっ!!」
「ん?あ、早瀬っち、どしたの?」
「あのね!聞きたいことがあって!」
すぐさままっつんに駆け寄れば、ニコニコと楽しそうな笑顔を向けられる。
まっつんはいつも楽しそうだから、一緒にいると、あたしも楽しくなる。
それに、久富と違って、チビって言わないし。
思わずニコニコと、同じように笑顔を返していれば、
「で、早瀬っち、話は?」と不思議そうに首を傾ける。
あ、そうだ、久富のこと!