君がすき



「じゃあ、俺もそろそろ時間ヤバイから行くわ。自習室、いるんだろ?部活終わったら行くから」


「うん、待ってる。また叶芽とケンカしないでよ?自習室の先生に怒られるわよ」


「わかってるって…。じゃあな」



教室に一人。


泉輝が出て行った方向を、ぼんやりと眺める。



いつか。

いつか、きっと。

あの二人は、お互いに好きになる。

それは多分、泉輝次第。

叶芽は、こういうことには、本当に鈍いから。



「泉輝が告白したら……きっと」



そう呟きながら、そっと泉輝の机に触れる。


大丈夫。

大好きな、二人のこと。

ちゃんと、応援できる。



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