君がすき
「……自習、しなきゃ」
内部進学組の泉輝や叶芽とは、違う大学。
だから、きっと大丈夫。
小さく、クスッと笑ってから教室を出る。
廊下に出たところで、すぐ近くに人の気配を感じた。
「……よかったの?」
「それはこっちのセリフじゃない?松下くん」
穏やかに微笑みながら私を見ている松下くん。
その目は、全てを見透かされているよう。
「イズヤンのこと気になったからね。職員室寄るついでにちょっと見に来ちゃった」
「先生に怒られるわよ?」
「今はきっと、イズヤンがコテンパンにされてるだろうから、大丈夫」
ふふん、と楽しそうに言う松下くんの言葉に、思わず、ぷっと吹き出す。