君がすき



「…どうしたの、叶芽?わからないところ、あった?」



ぼんやりとそんなことを考えていれば、夢榎がふと顔をあげる。

それに慌てて頷き、プリントを見せれば、スラスラとわかりやすい説明をしてくれる。



「…で、こうなる。わかった?」


「うん、うん……やってみる」



夢榎の解説を見ながら問題を解いていると、第二の先生役のまっつんが、買出しから戻ってきた。


「飲み物買って来たよー。いやぁ、重いね、四人分のジュースは!」


「部活で鍛えてるくせに、何言ってんだよ、まっつん」



そう言いつつも、久富はすぐさま、まっつんの手伝いをする。

まっつんはジュース以外にもお菓子を買ってきたみたいで、袋を手に持っている。



「購買行ったらさ、おばちゃんが最後だからってまけてくれたんだよね。ちゃんと四人分あるよ」


そう言うと、袋からプリンを4つ、それぞれに配ってくれた。



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