君がすき

バカな太陽 side泉輝




「………はぁ」



手にパックのジュースを持ったまま、イスに思いっきりもたれて、深く息をはく。

感じるのは、痛々しいほどの視線と、ニヤニヤとした、やらしい視線。

それに加えて、どこか呆れられているような視線。


とりあえず、一番近くから感じる、やらしい視線に目をやると、思ったとおり、

心底楽しそうな、ニヤニヤとした笑みを浮かべながら、まっつんが俺を見ていた。



「……言いたいことがあるなら、言え、まっつん」


「じゃあ言うね!イズヤンって、バカなの?天才なの?」


「……テストは普通だった」



そう答えつつも、まっつんが聞きたいことが、テストの結果じゃないことくらい、もちろんわかっている。

定期テストがなんとか無事に終わり、梅雨を迎えれば、ジワジワと暑さを感じるようになってきた今日この頃。


俺は、暑さと共に、痛いくらいの視線をも感じるはめになった。


……自業自得だけど。



< 46 / 55 >

この作品をシェア

pagetop