君がすき
「だってさ、もう高3だし。大学一緒って言っても、早瀬っちだって女の子なんだから。化粧とか始めて、モテちゃったらどうすんの?女の子なんて、いくらでも可愛くなっちゃうんだよ?」
ふぅ、と息をはきながら、ペラペラと話すまっつん。
なんなんだ、コイツは。
なんでまっつん、こんなに女のことがわかんだよ?
っていうか、早瀬が化粧とか、想像つかねぇんだけど。
「まぁ、あれだよ。告白は……その、時期がきたら、ってことで」
「うっわー、イズヤン、ヘタレー」
「うっせぇぞ、まっつん!そう言うまっつんこそ、好きなヤツいねぇのかよ」
「え、俺?」
なんで高3男子が休み時間にこんな恋バナしてるとか、そういうツッコミはナシだ!
毎回、からかいやがって…!
キョトンとするまっつんをジッと見つめる。
するとあはっと満面の笑顔を返された。
「言うわけないじゃん?」
顔とは裏腹に、冷め切った言葉。
あぁ、認めるさ。
俺は、ヘタレだ。